2020年1月からNHKで放送された「ハムラアキラ」シリーズ。
原作は、ミステリー作家・若竹七海が20年以上に渡って描いてきた「女探偵・葉村晶シリーズ」 です。葉村シリーズの一覧を作成しました。
「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」予告・あらすじ・解説動画 10分ロングバージョン
1 『プレゼント』
ルーム・クリーナー、電話相談、興信所など職を転々とするフリーター・葉村晶。この作品では葉村の年齢は26歳~28歳くらい。ノンフィクション・ライターの肩書きもある。父は早世し、家には口うるさい母親と三人の姉がいる。大学時代に苦い三角関係の経験あり。
プレゼント
最初の冬の物語”winter”の時点で28歳。十二月の時点で「来月で29歳」と言っているので、一月生まれ。長谷川探偵事務所を辞めている。理由は姉の
珠洲(すず)がお金をたかりにやってきそうな兆候があったため。セールスポイントは貧乏を楽しめること、口が固いこと、体力があること。 ”ろくでなしの姉”、
珠洲は自殺。残った二人の姉は、晶が
珠洲にもっと親身だったらわたしたちの
外聞が悪いような事態にはならなかった、と責任を押し付けていた。友人と新築のマンションをシェアルームして住んでいる。
依頼人は死んだ 若竹 七海 文藝春秋 2003年06月10日
女探偵・葉村晶のもとに持ちこまれる様々な事件。冬から始まり、三度目の冬までの物語。
3 『悪いうさぎ』
わたしは葉村晶という。国籍・日本、性別、女、年齢・三十一歳。数年前から長谷川探偵事務所と契約している、フリーの調査員である。長谷川探偵調査所に社員として三年間後、長谷川所長の勧めもあって自由契約に落ち着いた。人手もしくは女手が必要になると、所長がわたしのところへ電話をよこす。私はそれに応じて駆けつけ、働く。フリーの調査員といえば聞こえはいいが、要するに何でも屋、フリーターだ。月に六十万以上稼ぐ時もあれば、六千円のときもある。 ~ 幸か不幸か親兄弟はわたしに関心を払ったことがほとんどないので、ちゃんとした仕事につけとか、やりたいことを見つけろ、結婚しろなどとうるさく説教してくる人間は誰もいない。(「前哨戦」P8より)
家出少女の捜索からはじまる長編。
図書館員の友人との
ルームシェアを解消し、新宿の安いアパートに引っこす。
4 『暗い越流』
「道楽者の金庫」で40歳過ぎ。 長谷川探偵事務所が閉鎖となり、探偵は開店休業中。
<MURDER BEAR BOOKSHOP>でバイトをはじめる。
5 『さよならの手口』
大学を卒業して以来、フリーターとして食いつなぎ、三十歳以降の十数年は長谷川探偵調査所と契約するフリーの調査員だった。自分で言うのもなんだが、探偵としてはまずまずの腕前で、同年代の会社員よりずっと稼いできた。家族とは十年以上あっておらず、無趣味で、友人もほとんどなく、ペットも飼っていないし、オトコとも縁がない。以前は新宿の、ハイオク一歩手前の飲食店二階を月五万円で借りていたが、そこが例の
地震でいよいよ傾いてしまったため、現在では
調布市内の農家の離れを利用したシェアハウスに、光熱費込み七万円で住んでいる。(p7)
四十代。本屋のほうが探偵より重労働。
探偵を休業し、ミステリ専門店MURDERBEARBOOKSHOPでバイト中の葉村晶は、元女優の芦原吹雪から、20年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。
6 『静かな炎天』
四十歳過ぎ。現在はミステリ専門書店の二階に探偵事務所を構える女探偵。
更年期に片足突っ込んだ四十代半ば。本屋の手伝いは三年以上。調布のシェアハウス”
スタインベック荘”を出て、
三鷹台のアパート”ブルーレイク・フラット”へ引っ越す。
尾行中の老女梅子が怪我をさせたミツエの持ち家のアパートに住むことになった、女探偵の晶。交通事故で重傷を負い、記憶を失ったミツエの孫
ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと晶に依頼し…。
8 『不穏な眠り』
探偵社の事務室にしていた店舗二階の一室に、わずかな家財道具ともども転がり込み、書店の住み込み探偵になってしまって数ヶ月。『逃げ出した時刻表』より(p122)