読書の友は珈琲とチョコレート

本屋さんか図書館まわりで生きています。文学館にいることもあります。

2018年11月の読み聞かせ勉強会

2018年11月の読み聞かせ勉強会

 

1 おはなしの小道具を使ってみましょう!

 藤田浩子先生のパタパタ変わり絵。いないいないばあ!のセットにはわんちゃんやおさるさんが。一番面白いのは幽霊!いないいないばあでいなくなったあと、幽霊を探すともりあがります(^^)実演動画を見るとわかりやすいです。


いない・いないばあ(『おはなしの小道具セット②』藤田浩子)

 

 

藤田浩子のおはなしの小道具セット 2―すぐに使える

藤田浩子のおはなしの小道具セット 2―すぐに使える

 

 

 

 


乳児も喜ぶ!牛乳パックで作る パタパタ変わり絵

 

パタパタ変わり絵は買わなくても作れます!実際に牛乳パックで作るとはじの厚くなっている部分がひっかかりやすいです。お金はかかるけど画用紙のほうが使いやすくはあるかなぁ。


kimie gangiの工作教室 絵が変わり続ける4面カードの作り方Ver.2

 

4面のパタパタ変わり絵もあります。わたしは虫のたまご→幼虫→さなぎ→蝶のライフサイクルで作成してみました。

 

2 わらべうたであそんでみましょう

 

『おせんべやけたかな』

巻末にあかちゃんとの楽しみ方が載っています。 


31.手遊び歌(おせんべやけたかな)/Japanese Nursery Rhyme with Hand Action (Osenbe-Yaketakana)

 

 3 『トムテ』

 しんしんと冷える冬の夜、ひとり寝ずの番をするトムテ。数えきれないほどの長い年月、こうして農場を見守っていて…。スウェーデンの人々に長く親しまれてきた詩とおだやかな絵が、見る人の心をなごませる絵本。

 

トムテ

トムテ

  • 作者:ヴィクトール・リードベリ
  • 出版社:偕成社
  • 発売日: 1979-11-01
 
4 『かあちゃんのジャガイモばたけ』

 

ジャガイモをつくりながら、ふたりのむすこをそだてていたかあちゃん。でも、ある日、にいちゃんは、東の国の兵士になり、おとうとは西の国の兵士になってしまいます。ふたりともが去ったとき、かあちゃんはちょっと泣いてから畑に戻るのだけれども、その時の気持ちを考えると胸が苦しいです。ふたりの息子がどうなるか、かあちゃんはどうなるのかは読んでみてのお楽しみ。

 

5 『ポレポレやまのぼり』

 慌てんぼうのやぎくん、お調子者のはりねずみくん、しっかり者のぞうくんが、山登りに出かけました。今日は山頂に泊まる予定。やぎくんの妙なこだわりが笑える絵本です。

ポレポレやまのぼり

ポレポレやまのぼり

  • 作者:たしろ ちさと
  • 出版社:大日本図書
  • 発売日: 2011-12-01
 
 6 『ねこのき』

オレンジ色の長いしっぽのねこは交通事故で死んでしまいました。飼い主の花好きなおばあさんはねこを庭にうめました。やがて、春がきて、そこから小さな芽がでてきて・・・

 

ねこのき (おはなし広場)

ねこのき (おはなし広場)

  • 作者:長田 弘
  • 出版社:クレヨンハウス
  • 発売日: 1996-06-01

 

 

 

2018年9月読み聞かせ勉強会 

 2018年9月の読み聞かせ勉強会

1 くいしんぼうのゴリラ


くいしんぼうゴリラのうた|手遊び動画

レモンはすっぱくて、さいごはたまねぎ食べられないんだよね(´;ω;`)

 

2:どんぐりないよ

どんぐりないよ (たんぽぽえほんシリーズ)

どんぐりないよ (たんぽぽえほんシリーズ)

  • 作者:間部 香代
  • 出版社:鈴木出版
  • 発売日: 2017-09-07

 どんぐりを探しに出かけた、りすくん。でも、ほんの少ししか見つからず、家でしょんぼりしていると、こぶたくんたちがやってきて…

 おともだちのみんなのきもちがうれしい本。どんぐりいっぱい。

 保育園や幼稚園くらいのおともだちに。

 

3:ぼくのおじいちゃん

 ぼくのおじいちゃん

  ピラティスとドイツ語を習い、毎日ランチに出かけていくおじいちゃん。ぼくのおじいちゃんの1日は、とても楽しそう! ポルトガルで生まれた、豊かな時間を過ごすおじいちゃんの日常を描く絵本。

 おじいちゃん、なんだかお洒落だな~

 

4:くったのんだわらった

 ヒバリの夫婦は、モグラが巣のそばを掘りかえすので、オオカミに追い払ってくれるように頼みました。オオカミが「たらふく食わせてくれたら」というので、ヒバリは村で結婚のお祝いに集まっていた人々をおびきだして、オオカミにごちそうをはらいっぱい食べさせました。ところがオオカミはこんどは「ビールを思いっきり飲ませてくれたら」というのです……。ポーランドの愉快な昔話です。

 

おおかみが最終的にどうするのか?気になって仕方がないお話。読んでて面白いです!おおかみのずる賢さがうまく出るように読むのが大事。

 

5:おひさまをほしがったハヌマン

おひさまをほしがったハヌマン―インドの大昔の物語「ラーマーヤナ」より (こどものとも世界昔ばなしの旅)

おひさまをほしがったハヌマン―インドの大昔の物語「ラーマーヤナ」より (こどものとも世界昔ばなしの旅)

 

 インドのお話。インドラのバジュラの威力半端ない。

 

6:たんぽぽたんぽぽ

たんぽぽはたんぽぽ

たんぽぽはたんぽぽ

  • 作者:おくはら ゆめ
  • 出版社:大日本図書
  • 発売日: 2015-04-23

すずめが「たんぽぽはたんぽぽ」と言うと、たんぽぽが、花びらをぴんと伸ばしました。たんぽぽが「ありんこはありんこ」と言うと、ありんこが小石をど〜んと運びました。たろうくんも、ねこに「たろうはたろう」と言われ…。

 

独特のゆったりした世界が良い。ゆっくりふわふわ話すのが得意な人がこの絵本を読んだ。とっても気持ち良い空間が広がった。

 

 7:つきよのおんがくかい

つきよのおんがくかい (日本傑作絵本シリーズ)

 

満月の晩、山の上でジャムセッションを楽しむクマ、ウマ、ネコ、イヌに出会うこうちゃん。鮮やかな色の対比と、「ばびぼべばび(ベース)」「キャンキョンカリコレカリコレ(ピアノ)」などの擬音がユニークな絵本。

 

ピアノが「カリコレ」ってどんな鳴り方なんだろう。読むときに工夫が必要。

 

 

紙 芝 居

 

 

 おいもさんの大きさや長さや、いろいろなものを比べる紙芝居。

おいもさんに番号とかがなくて、どのおいもさんなのかちょっと答えにくいかな。

 

2018年5月読み聞かせ勉強会の絵本(2) かこさとしさんなど

4 『マトリョーシカちゃん』 作者:ヴェ ヴィクトロフ,イ ベロポーリスカヤ,加古 里子

 

マトリョーシカちゃん

マトリョーシカちゃん

  • 作者:ヴェ ヴィクトロフ,イ ベロポーリスカヤ,加古 里子
  • 出版社:福音館書店
  • 発売日: 1992-10-15

 

  5月に『マトリョーシカちゃん』は時期があわないと思う向きもあるかもしれませんが、かこさん追悼&読み手の思いということでチョイスされていました。

 

 かこさんといえば「からすの〇〇やさん」「だるまちゃん」が有名。だるまちゃん、最初は手足が短くて可愛い感じだったのが、最近の作品をだんだんムキっと手足が長くなっていて、成長を感じました(^^)/

 東日本大震災後、かこさんの作品が多く発表されたように感じます。

 かこさんの作品はこれからもずっと愛されると思います。

 

5 詩の朗読 『夕焼け』吉野弘

 

いつものことだが
電車は満員だった
そして
いつものことだが
若者と娘が腰をおろし
としよりが立っていた。
うつむいていた娘が立って
としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりが坐った。
例もいわずにとしよりは次の液で降りた。
娘は坐った。
別のとしよりが娘の前に
横あいから押されてきた。
娘はうつむいた。
しかし
又立って
席を
そのとしよりにゆずった。
としよりは次の駅で例を言って降りた。
娘は坐った。
二度あることは と言う通り
別のとしよりが娘の前に
押し出された。
可哀相に
娘はうつむいて
そして今度は席を立たなかった。
次の駅も
次の駅も
下唇をキュッと噛んで
身体をこわばらせて--。
僕は電車を降りた。
固くなってうつむいて
娘はどこまで行ったろう。
やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となる。
何故って
やさしい心の持主は
他人のつらさを自分のつらさのように
感じるから。
やさしい心に責められながら
娘はどこまでゆけるだろう。
下唇を噛んで
つらい気持で
美しい夕焼けも見ないで。

 

 


夕焼け 詩 吉野弘

 

高田渡さんの歌もあります。


高田渡「夕焼け」原詩 吉野弘

 

www.nhk.or.jp

 

 

2018年5月読み聞かせ勉強会の絵本(1)

1 『つかまえた!』 鈴木まもる作

  

 「たんぽぽのわたげ」を「てんとうむし」がつかまえて、その「てんとうむし」を「とかげ」がつかまえて。さらにその「とかげ」を「ねこ」が、「ねこ」を「男の子」がつかまえて…。最後にみんなをつかまえるのは、あらびっくり( ゚Д゚)。子どもたちの反応が良くて読んで楽しい絵本です。

つかまえた! (講談社の創作絵本)

つかまえた! (講談社の創作絵本)

  • 作者:鈴木 まもる
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2014-03-12

 

  ページの左側にうっすら次にやってくるものの影があるのですが、色の加減ですぐにはわかりません。せっかくだからどこかで説明をいれたいな~と思うときは、最後にちょっと申し添えても良いかもしれません。

 

講談社の読み聞かせ方のコツのページが参考になりました。

ehon.kodansha.co.jp

 

2 手ぶくろシアター 「キャベツの中から」

 

薬指を立てるのが難しいのです・・・(ノД`)・゜・。

 


キャベツの中からの手袋シアター☆【あそびかた♪】

 

 手あそびもあります。歌も手あそびもいくつかバージョンがあります。

 


【手遊び歌】 キャベツのなかから 【子ある日和】

 

3 エプロンシアター 「三匹のこぶた」

 

三匹のこぶたは有名なおはなしなので絵本も、手あそびも、手袋シアターもあります。

子どもたちもよく知っています(^^♪

 


笠間 友部 ともべ幼稚園 子育て情報「エプロンシアター さんびきのこぶた」

 

 

 

科学絵本 新しい本 2017年10月

 

 科学絵本と題してみたものの、科学、科学といいつづけると堅苦しくなるので、よみきかせ向きの楽しい本から。

 

 

1 『いぶくろちゃん』

いぶくろちゃん (ライブえほん)

いぶくろちゃん (ライブえほん)

  • 作者:平田 昌広
  • 出版社:学研プラス
  • 発売日: 2017-10-03

消化について教えたいけれど、やさしく読める本はないですか?とお探しの方!

そんな人におすすめ。いぶくろちゃんがバナナを皮ごと食べちゃって・・というお話。

作者のかたが読み聞かせを動画であげているので、読み聞かせの練習にも。

 


いぶくろちゃん 読み聞かせ実演動画(Gakken)

 

 

 2 『すっぱりめがね』

 

 すっぱりめがね

すっぱりめがね

  • 作者:藤村 賢志 出版社:教育画劇 発売日: 2017-09-14

 

 モノの断面についておはなしするときにおすすめの絵本。学校司書さんに人気があった一冊。僕の持ってるふしぎな「すっぱりめがね」で何かをのぞくと、なんでもすっぱり!身の回りの物の断面を緻密な絵でのぞける、好奇心をはぐくむ絵本。

 

3 『いきものかくれんぼ』

 

  ほかのいきものにたべられないために、かくれんぼのてんさいになったいきものたちを紹介する本。ぜひクイズ形式で。

 

これはすごい!と私が思ったのはハイイロセダカモクメというガの幼虫。

虫がお嫌いでなければ、著者の一人である海野さんのブログをご覧あれ。

www.goo.ne.jp

 

 

 4  『わたしがノーベルしょうをとったわけ』

 

   主人公の女の子が不思議な卵をみつけて観察をはじめたら・・・。見たことだけではなく、観察した特徴を手掛かりに、図書館や博物館へ行って調べたり、比較したり、原因を予想することが日記に書かれていて、研究の手順について理解を深めることができる。

 

5 『ぼくのおおきさ』

 

 「大きくなったねえ」といわれるたびに、「ぼくは、僕の大きさだよ」と思う主人公。大きいとか小さいとか、何だろう?

親戚には必ず言われる「大きくなったねえ」。いわれる方にはたしかに不思議に感じる。

 

 

 

『ジェーンとキツネと私』いじめの中で素晴らしい本と出合った女の子の話

『ジェーンとキツネとわたし』
ファニー・ブリット文 イザベル・アルスノー絵 河野万里子訳 西村書店

 

 

もとはカナダで出版されたフランス語の本です。

実際手に取ってみると、中がコマわりになっていて、マンガのようです。

袖の部分にある紹介コメントには

 

「カナダ総督文学賞受賞/気鋭のイラストレーターが描く/繊細なグラフィックノベル」と書かれています。

 

ウィキペディアによると


グラフィックノベル (Graphic novel) は、通常は長く複雑なストーリーを備えた、しばしば大人の読者が対象とされる、厚い形式のアメリカン・コミックを指す用語である。グラフィックノベルは、オリジナル長編の場合や、オリジナル短編集の場合、過去に発行されたアメリカン・コミックの一連の物語を再収録した一冊の本の場合がある。フランスでは、版型がやや小さくてページ数が多く、シリーズものでない単独作品で、文学的であることを目指すようなものを指す[1]。
コミックナタリーでは、「アメリカでマンガ単行本を指す用語」と説明されている[2]。

 

 他のウェブサイトではエルジェのタンタンシリーズが挙げられていたり、日本のコミックスも入るのでは?との意見もあったりで、厳密に決まっているジャンルではなさそうです。

 

 絵本というより、むしろティーンズ向けの小説のようです。100ページほどありますが、絵が多いおかげで疲れません( *´艸`)

 

 冒頭は主人公の少女の通う学校。町を俯瞰したシーンから始まります。

 

 

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きょうはどこにも居場所がない 


学校の廊下もだめ、校庭もだめ、美術室に続く一番奥の、すこしだけチーズみたいなにおいのする階段もだめ。

 

“あの子”たちがそこらじゅうにいるから。わたしの悪口をらくがきするあの子たちが・・・

(本文より)

 

主人公の少女は"わたし"。

 

タイトル『ジェーンとキツネとわたし』の"わたし"、エレーヌ。

 


エレーヌは学校でひとりぼっちです。トイレに「エレーヌは体重100キロ」「臭い」なんて悪口を書かれたりしています。以前仲が良かった友達と、何かがあって孤立しているようです。どうにもならない時は本の世界ににげこみます。

 

ちなみに、エレーヌが読んでいるのは『ジェーン・エア』。現実にある小説です。

 

『ジェーンとキツネとわたし』の、「ジェーン」は、1847年に発表されたイギリスの小説『ジェーン・エア』の主人公のことです。『ジェーン・エア』は作者シャーロット・ブロンテが30歳のころに執筆した名作です。どんなお話かというと・・・

 

 孤児になった主人公ジェーン。ジェーンは預けられた親戚の家で酷い扱いをうけ、厳しい子供時代を過ごします。ひどい境遇にめげることなく聡明な女性へと成長し、最終的にすばらしい愛を見つける。

 

この本をエレーヌはお守りのようにカバンに忍ばせています。

 

 学校にいても、家に帰ってでさえも、エレーヌの世界は冒頭の風景のシーンと同じくモノトーン一色。『ジェーン・エア』の世界だけが鮮やかな色であふれています。

 

 そんなエレーヌの学校生活にある試練(?)が訪れます。

 

 キャンプです。

 

 クラスに友達がひとりもいない現状で、これはつらい(/ω\)。

 

本を読むことでバス中の「ぼっち」をやりすごしたエレーヌが、自分以外の子がグループを作っている時にとった戦術

 

何かを探しているふりをしてかばんをごそごそする。

 

つらい。


 悪意を持ったからかいを臆面もなく口に出す人と、関わりたくないから見て見ぬふりをする人。自分をとりまいている息苦しさ。まわりの目が気になります。


  そして最後に出てくるのが、『ジェーンとキツネとわたし』の"キツネ"。


 キツネはキャンプ最終日の夜、テントの外で『ジェーン・エア』を読んでいたエレーヌにあらわれます。嫌なことがあったキャンプの夜、グレーと黒の世界に、赤茶色の小さなキツネがあらわれます。色ってこんなにパワーがあるのですね・・

 


 キツネの登場と同時に、ある女の子がエレーヌの前に現れます。女の子との交流で色のある世界へとエレーヌは帰ってゆきます。

さらに、彼女をいじめていた女の子とも関係の修復の兆しをみせながら。

 

いじめをのりこえることがメインではなくて、「素晴らしい本との出会い」を経験できた女の子のお話のようにも読めました。
 

 

 

ジェーンとキツネとわたし

ジェーンとキツネとわたし

 

 

 

 

ジェーン・エア (上) (新潮文庫)

ジェーン・エア (上) (新潮文庫)

 

 

 

ジェーン・エア (下巻) (新潮文庫)

ジェーン・エア (下巻) (新潮文庫)

 

 

ミャンマーってどんな国?【2017年課題図書】空にむかってともだち宣言 茂木ちあき作/ゆーちみえこ絵

 

 

空にむかってともだち宣言

空にむかってともだち宣言

 

  

1 アジアの仲間

 小学4年生の女の子、あいりはお母さんとふたりで2階建てのアパートに住んでいます。そこに5人家族が引っ越してくるらしいと聞いたあいりは、ちょっと不思議な気持ち。

 

 

アパートはふたりだと十分な広さ。だけど、同じ広さで5人だとちょっと狭くない

 

 

そして、おとなりさんになる家族がやってきました。ちょっと色が黒いけど、髪は黒いし顔だちも日本人に似ています。おかあさんが、みんなミャンマーから来たのだと教えてくれました。どうりで日本人と少し違ったはずです。

 

お父さんのティンさんがミャンマーの場所を教えてくれるために世界地図を出してくれました。日本が端っこにあって見慣れない感じです。ミャンマーと日本は両方東のはじっこにあり、近いことがわかります。

 

近いとは言っても外国なのに日本で暮らすのはたいへんじゃないのかな??┃・ω・`*

 

 

ティンさん一家はほとんど荷物もなく、日本語もまだ上手ではありません。あいりは、同い年の女の子ナーミンのお世話を、ゴンさん(お母さんの友達)からたのまれました。あいりは少し心配になります。

 

早く日本語がじょうずにならないと、確実にシカトされちゃう (/ω\)

 

 

2 二学期に向かって

 

 さあ、行動開始。ティンさん一家はほとんど何も持ってきていませんでした。だからたくさん買い物をしなくてはいけません。あいりとナーミンたち子どもグループは着がえと文房具の用意が担当です。

 着がえはあいりのおさがりがぴったりだったので当面は大丈夫そうです。

 

つぎは文房具。百均やショッピングセンターのワゴンセールで買い物をしていきます。ナーミンはちょっと心配そうだったけど、ふたりの弟はたくさんものがあって大喜びでした。

 

 夏休み中は、あいりとナーミン、ナーミンの双子の弟、あわせて4人で2軒の留守番をします。留守番中は、ナーミンは日本語の勉強。昼ごはんにはお母さんが下ごしらえしてくれたご飯を作って食べます。ときどきナーミンがミャンマーのご飯をつくってくれます。

モヒンガという料理はラーメンに似た味がしました。

 

午後はエアコンがきいている児童館や図書館へ。ナーミンはミャンマーの写真を見てさみしそうに本を閉じました。ショッピングセンターへもよく行きました。

 

 物の名前やお金の数え方など、覚えることはたくさんありました。

 

3 あいりにまかせた!

 

 

 夏休みが終わり、いよいよ二学期です。ナーミンとあいりは同じクラス。ナーミンは上手く日本語であいさつをしました。すべりだしは順調に思えたのですが・・

 

 スポーツができて人気者、だけど思いつきでものをいう航平が、日本に来たばかりのナーミンをクラス委員に推薦します。航平の太鼓持ち、勇太と大樹もはやし立てます。

 

 最初は 「外国から来たばかりなのに、いきなりは無理でしょう」

と助け船をだした担任のゆう子先生。

 

「みんなも協力するから」と航平。

 

 あいりは心の中で(おまえさえ勝手なことをしなければ、クラスはいつもまとまってるさ)と思いますが、さすがにそこまでは言えません。ゆう子先生も「あいりと二人でやってみたら?」と言い、最終的に二人はクラス委員をすることになりました。

 

ある日、ごはん食の給食がでました。お箸が用意されていました。ミャンマーではお箸は使いません。ナーミンもまだお箸が苦手で、手がつい出てしまいます。

 

弟達は大丈夫かな?心配したナーミンとあいり。ふたりは給食が始まる前にトイレに行くと言って教室を抜け出します。弟達は大丈夫でした。あらかじめスプーンが配られるようにお願いしてあったのです。ですが・・・

 

二人が教室に戻ると自分たちの給食がありません。

 

「日本の食べ物あわないんじゃないかと思ってさ」

「難民キャンプの子供は一日一食、っていってたよ」

「難民だからナーミンなんじゃないのー」

「一日一食なら、ちゃんと食べないと」

 

とはやしたてる航平たち。あいりは腹を立て、航平たちにつっかかります。

 

 給食はひっくりかえってしまいました。

 

「ナーミンもなんとかいいなよ」と、あいりがふりかえると、ナーミンは大つぶの涙をぽろり。今まで涙を見せなかったナーミン。給食にもほとんど手を付けませんでした。

 

4 難民地図ってなに?

 

 どんよりした空気の5時間目。

 

 先生は、予定を変えて「世界の国々の勉強」といい、黒板に大きな地図を広げました。「世界難民地図」というもので、難民が多いほど赤が濃く塗ってあります。

 

 

 先生は、世界にはいろいろな理由で自分の国にいられなくなって外国に避難する人がたくさんいることを教えてくれました。

 

 日本でも、台風や地震原発事故で非難する人がいます。でも、自分の国ではどこも危険だったらどうすればよいのでしょうか?

それで、国の外にしかたなく避難する人がいるのです。

 

そして特別ゲストには、なんとゴンさんが登場します。ゴンさんは難民の人が日本で生活するための相談やお手伝いをしている人だったのです。

 

ゴンさんのお話では、ナーミンのお父さんは新聞記者でした。しかし、国の政治に反対していると言われ警察に捕まり、きびしい取り調べや暴力を受けて、仕事にも行けなくなり、ナーミンも学校に行けなくなったのでした。

 

ナーミンは「一番悲しかったこと」を話します。

 

「お父さんはある日、急に帰ってこなくなりました。十日くらいして、仲間の人に連れて帰ってこられました。傷だらけで歯も三本折られ、耳も片方聞こえなくなっていました。仕事をしていただけなのに・・・」

 

「おじいさんやおばあさん、親戚は国に残っています。私たちのせいで警察に捕まってしまったり、いじめられたりしていないか、とても心配で・・・」

 

                                                      

 

5 ミランガラバーの日曜日

 

 秋の日曜日、ゴンさんがミャンマーの衣装ロンジーを巻いて現れます。ミャンマーでは男も女もみんなロンジーを巻くのです。

きょうは「ミャンマー・フェスティバル」。会場ではみんな同じようにロンジーをまいています。もともとミャンマーの人と日本人と顔立ちが似ているのでどっちの国の人かわかりません。

 

 

 あいりはミャンマーのポシェットを買ったり、ミャンマーの料理を食べたり。

 

舞台ではあいりが見たことのないダンスを踊りだしました。ナーミンのお母さんもいます。ダンスの後は「なかよし大使」を発表します。

 

それはなんとあいりでした。

 

びっくりするあいりに、ナーミンはお礼を言い、ロンジーを巻いてくれたのでした。

 

 6  発表会はバガンダンス

 

 

 次の日にゆう子先生に呼ばれたクラス委員のあいりとナーミン。相談は学習発表会の内容でした。

 

あいりは昨日見たバガンダンスが良い、と提案します。きれいなダンスであること、ナーミンのおかあさんが上手に踊れること、子どもでも踊れることなどを理由にあげます。

 

ゆう子先生と相談して、クラスのみんなにもバガンダンスを見てもらう用意をしました。

 

教室では机と椅子を後ろに下げて、音楽スタート。ナーミンとおかあさんが踊りながら教室に入ってきます。お母さんのこえかけでみんなにも踊ってもらいました。

 

ダンスは大盛り上がり(#^.^#)

 

発表会は「バガンダンスとミャンマーの子どもたち」に決まりました。

 

図書室の本でミャンマーについて一ヶ月間調べ学習をしたり、ダンスの練習をしたりして一か月がすぎました。

 

バガンダンスは大成功、あいりはナーミンと一生の友達になると空に誓ったのでした。

 

 


 感想

 

 

 

 

バガンダンス


Bagan Dance

 

 

 

ミャンマーはどんな国?

 なぜナーミンが祖国を出てまで暮らさなくてはいけないのでしょうか?ミャンマーはどんな国なのでしょうか?

 

世界難民地図

http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/pro/pdf/map_2016.pdf

 

 日本とミャンマーは近い国であることや、なぜミャンマーの人が避難しなくてはいけないのかがわかります。軍事政権の下、民主化を求める人や少数民族の人が避難指定しています。

 

ミャンマーからの避難民の数

 HP「キッズ外務省」によると、ミャンマーからの難民は45万人。世界で第7位になっています。

(キッズ外務省)難民の出身の多い国|外務省

 

 

・もし自分があいりだったら?

 あいりはナーミンたち姉弟とすぐにうちとけ、クラスメイトとの衝突にもビビらずナーミンをかばいます。あいりの気が強い部分もあるのでしょうが、なかなかできることではないと思います。

 

 もし、自分が他の国から来た子のお世話を頼まれたら快く引き受けられるでしょうか?その子がクラスでからかわれたら?

 

 最後に、なぜあいりは「空に向かって」ナーミンとともだち宣言をしたのか。ミャンマーまで届くようにグローバルな宣言をしたのでしょうね(/・ω・)/

いつかナーミンがミャンマーに帰って平和に暮らせたら良いですね。

 

 

・航平

 

 心ない言葉でナーミンをからかう航平たち。

 

 もし、日本でミャンマーのニュースが大きく報道され、そこに住んでいる人がどんな恐ろしい目にあい、どんな気持ちで逃げてきたのか知っていたら?

 航平たちは「難民は一日一食しか食べられない」などと、はやし立てたりはしなかったのではないでしょうか。ナーミンの話を聞いた後、航平はどこか考え方が変わったんじゃないかな?