読書の友は珈琲とチョコレート

本屋さんか図書館まわりで生きています。文学館にいることもあります。

2018年5月読み聞かせ勉強会の絵本(2) かこさとしさんなど

4 『マトリョーシカちゃん』 作者:ヴェ ヴィクトロフ,イ ベロポーリスカヤ,加古 里子

 

マトリョーシカちゃん

マトリョーシカちゃん

  • 作者:ヴェ ヴィクトロフ,イ ベロポーリスカヤ,加古 里子
  • 出版社:福音館書店
  • 発売日: 1992-10-15

 

  5月に『マトリョーシカちゃん』は時期があわないと思う向きもあるかもしれませんが、かこさん追悼&読み手の思いということでチョイスされていました。

 

 かこさんといえば「からすの〇〇やさん」「だるまちゃん」が有名。だるまちゃん、最初は手足が短くて可愛い感じだったのが、最近の作品をだんだんムキっと手足が長くなっていて、成長を感じました(^^)/

 東日本大震災後、かこさんの作品が多く発表されたように感じます。

 かこさんの作品はこれからもずっと愛されると思います。

 

5 詩の朗読 『夕焼け』吉野弘

 

いつものことだが
電車は満員だった
そして
いつものことだが
若者と娘が腰をおろし
としよりが立っていた。
うつむいていた娘が立って
としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりが坐った。
例もいわずにとしよりは次の液で降りた。
娘は坐った。
別のとしよりが娘の前に
横あいから押されてきた。
娘はうつむいた。
しかし
又立って
席を
そのとしよりにゆずった。
としよりは次の駅で例を言って降りた。
娘は坐った。
二度あることは と言う通り
別のとしよりが娘の前に
押し出された。
可哀相に
娘はうつむいて
そして今度は席を立たなかった。
次の駅も
次の駅も
下唇をキュッと噛んで
身体をこわばらせて--。
僕は電車を降りた。
固くなってうつむいて
娘はどこまで行ったろう。
やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となる。
何故って
やさしい心の持主は
他人のつらさを自分のつらさのように
感じるから。
やさしい心に責められながら
娘はどこまでゆけるだろう。
下唇を噛んで
つらい気持で
美しい夕焼けも見ないで。

 

 


夕焼け 詩 吉野弘

 

高田渡さんの歌もあります。


高田渡「夕焼け」原詩 吉野弘

 

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