社会人になってずいぶんたつ私であるが、先日もろもろの事情があり自動車免許を取ることになった。突然どうしても必要になってしまったのだ。まったく人生一寸先は闇である。
乗り物全般に興味がなく、かろうじて自転車には乗れるが、ゴーカートすら乗ったことのない私には当惑するしかない。
こうなれば腹をくくるしかないと覚悟を決めたのはいいものの、現実は厳しく、初回乗車時のハンドル操作からつまずいた。
私を担当した指導教官は厳しい人で、毎回こっぴどく叱られた。自分の運転技術が未熟なのは重々承知だが、だからこそ教習所に通っているのだ。なのに、なんでここまで怒られなきゃいけないのと、落ち込む日々が続く。連日胃薬を飲んでハンドルを握り、必死で運転しているときに、ふとひらめくものを感じた。
「これって実は私がキレないか試されているのではないだろうか?」
さすがに私ほど怒られる生徒は少ないだろうけれども、それでもキレる生徒はいるにちがいない。ひとの生命を左右する大きさの鉄の塊を猛スピードで動かす人間が、かんたんに怒りの感情に身を任せてしまうようでは危険きわまりない。
実際に路上でびっくりするほど乱暴な運転をするドライバーを見かけるが、きっとそういう類のドライバーをふるいにかけているに違いない。「安心してください、キレてませんよ」という心持ちで運転すると、下手なりに少し気持ちに余裕が持てた。
実際に教官がアンガーコントロールをテストしていたのかどうかはわからないが、仮面も卒検も一度で(!)合格し、学科のテストは難なくクリアし、私は自動車免許を取得した。
キレるどころか、今でも運転はおっかなびっくりで、できるだけ誰かに同乗してもらい死角の確認はおこたらない。
路上で危険な運転をするドライバーを見ると、この人は自動車学校でカッとなることがなかったのかしら、よく免許をもらえたなと思うのである。事故を起こしたら、もっと悪いことに人を傷つけたら(自分を含め)人生は大きく変わる。まさに、運転こそ一寸先は闇なのだ。
自動車運転免許取得を支えてくれた本・グッズたち
かつて修了検定に落ちたショックで自動車教習所をやめた(!)経歴の持ち主ボン・ボヤージュさんの免許取得コミックエッセイ。免許を取る仲間ができたようで心強い。
運転中、教官にいくつも「あれがいけない、ここもダメ」といわれると何をどうしたらいいのかわからなくなる。気を付けるべきポイントの復習用に。DVDがついているのがありがたい。教官がちょっと俳優の神尾裕さんに似ているような気もする。
教習者運転中に数多くの指示を出される。それはわかっているのだが、目の前のものをこなすのに精いっぱい。技能教習が終わったら何を言われたかよく覚えていない、そんな場合の復習用にボイスレコーダー。あとは自分なりに要点メモを作って、仮免や卒検でチェックされるポイントをあわせてお手製技能対策プリントを作成した。
youtubeにもお世話になった。
わたしはS字コーナーが苦手だったが、仮免受験前日に「自分の弱点」に気が付いた。
S字にはいる角度(タイミング)がまちまちだったのだ。その違いに対応できるほど車の挙動を理解しているわけでもなく、苦労したのはあたりまえ。
何度かそれを意識すると、”これくらいハンドルを切ると車はこのように動く” っていうのが感覚でわかるようになってきた。『亜人』の佐藤さんの言葉ではないが、練習が大事なのね。
アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術
- 作者: 安藤俊介,デューク更家
- 出版社/メーカー: 集英社
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